就職活動やその後の職場、成人式に結婚式など、さまざまな場で着る機会のあるスーツですが、どうせなら綺麗に着こなしたいですよね。
特にビジネスシーンにおいては、スーツ姿が第一印象を左右するといっても過言ではありません。
綺麗に着こなすことで好印象に映り、好スタートを切ることができるでしょう。
そのスーツを構成するパーツには、シャツ、ネクタイ、ジャケット、スラックスなどさまざまあります。
今回は、スーツの後ろ姿の印象を左右する「ベント」についてご紹介していきます。
スーツの後ろ姿にもこだわりを!4種類のベントとは?
大学生のようなスーツをあまり着る機会のない方の中には、「ベントってなに?」という方もおられるのではないでしょうか。
ベントとは、「ジャケットの裾に入っている切れ目のこと」です。
生まれは昔のイギリスで、兵隊が乗馬をする際、動きやすさを実現するために考えられたものです。
現代においては、動きやすさだけでなく、シワを防ぎ、シルエットを守る役割も持っています。
このベントは大きく以下の4種類に分けられます。
・センターベント
・サイドベンツ
・フックベント
・ノーベント
これらのベントには、それぞれ特徴があり、着用にふさわしいシーンも異なります。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
センターベント
「裾の中心」に切れ目が入っているものを「センターベント」と言います。
最もオーソドックスなビジネススーツの形であるため、就職活動用、ビジネス用のスーツの購入を考えている方は、センターベントのスーツを選択することをおすすめします。
サイドベンツ
「裾の両サイド」に切れ目が入っているものを「サイドベンツ」と言います。
別名「剣吊り」とも呼ばれ、英国製スーツに採用されることが多いベントです。
両サイドに切れ目が入っているため「センターベント」よりも動きやすいのが特徴です。
ビジネススーツは「センターベント」が主流ですが、「サイドベンツ」のスーツも見られます。
しかし、冠婚葬祭などフォーマルな場にはふさわしくないスーツとされているので、注意しましょう。
フックベント
「裾の中心に切れ目が入り、切れ目の根元部分がフック(鍵状)になっているもの」を「フックベント」と言います。
一見「センターベント」と似ていますが、根本がフックになっているため、ビジネスシーンにおいて、スーツで他人と差をつけたい方にはおすすめです。
もちろん「センターベント」同様、シルエットを守る機能も兼ね備えています。
ノーベント
「裾に切れ目がない」ものを「ノーベント」と言います。
他のベントに比べ、派手さがなく、機能性においても切れ目がないため、少し窮屈かもしれません。
着用シーンとしては、派手さが求められないフォーマルな場などがあり、ビジネスシーンではほとんど見られません。
タキシードも「ノーベント」が基本なので、フォーマルな場では「ノーベント」一択でしょう。
スーツスタイルの後ろ姿を左右する|着丈の重要性
自分に合った着丈の選び方
これまで各ベントの特徴と着用シーンについてお話してきましたが、いくら正しいドレスコードでも、ジャケットが大きすぎたり、スラックがピチピチだったりと、サイズが合っていなくては、印象も良くはありません。
まずは、自分のからだのサイズを把握するところから始めましょう。
ジャケットを購入する際には、肩幅・身幅・身丈・袖丈の4つの長さを知っておく必要があります。この4つを抑えておけば、サイズが合わないということはまずないでしょう。
シャツの場合は、合わせて首まわりも把握しておくとなお良しです。
スラックスについては、ウエスト、股下だけでなく、股上や渡り幅、裾幅まで知っておくことがマストです。
特にスポーツをしている方には、太ももが太い方もいらっしゃるので、渡り幅をしっかりと測っておきましょう。
また、お店で購入される方は、お店の方がしっかりと測ってくれるので安心してください。
日本人は後ろ姿に無関心!海外では前よりも後ろ姿重視
外国人は、後ろ姿もその人の一部であり、周りから見られているのを知っているので、毎日チェックを欠かさずおこなっています。
対して、日本人はどうでしょう。「そもそも後ろ姿ってそこまで重要なの?」「ネクタイさえしっかり結べていればそれでよくない?」とお考えの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
特に日本人にはこういった考えの方が多いように感じます。
しかし、そんなことはありません!「デキる男」は、後ろ姿まで気を遣っています。1つ例を出しましょう。
例えば、ある女性の目の前に2人の男性がいたとします。2人は前を歩いているため、顔は見えません。
一方の男性は、肩幅にフィットした、シワひとつないジャケットで、背筋が伸びている男性です。もう一方の男性は、ぶかぶかなでシワだらけのジャケットで、猫背の男性です。
女性は、どちらの男性に好印象を抱き、「デキる男」だと思うでしょう。いわずもがな、前者ですよね。
仮に、後者の男性の方がイケメンであっても、最悪な第一印象は変えられません。
どうせなら後ろ姿も完璧に整えて、好印象をゲットしたくないでしょうか?
まとめ
「デキる男」になるためには、後ろ姿まで気を遣う必要があるということが分かったのではないでしょうか。
前述したように、ベントで個性を出せますし、使い分けることで、その場に合ったドレスコードを行うことが出来ます。
後ろ姿にこそ「デキる男」の秘訣が隠されています。普段からスーツを着る方もそうでない方も、気を配ってみてはいかがですか?